気になる加齢臭、逆効果な対策5選

「最近、自分の体から独特なニオイがする気がする」
「家族から体臭を指摘された」

など、年齢を重ねるにつれて体のニオイが気になる人は少なくありません。

一般的に「加齢臭」と呼ばれる体臭には、さまざまな成分が関係しています。その中でも代表的な成分として知られているのが「ノネナール」です。

ノネナールとは、40歳以上の人から主に検出されることが報告されており、皮脂に含まれる成分の酸化分解との関係が知られています。いわゆる加齢臭は、単純に「汗をかいたから発生するニオイ」とは異なります。そのため、加齢臭が気になるからといって、やみくもに体を洗ったり、香りで隠したりするだけでは十分とはいえません。

ここでは、加齢臭対策として行われがちですが、根拠が十分ではなかったり、方法によっては肌への負担につながったりする対策を5つ紹介します。

1.体をゴシゴシ強くこする

加齢臭が気になると、「ニオイの原因をしっかり落としたい」と考え、ナイロンタオルなどで体を強くこすって洗ってしまうことがあります。しかし、強くこすることが加齢臭対策として優れているという十分な根拠は確認されていません

加齢臭とノネナールの関係を調べた研究では、40~44歳の男性8人を対象として、マイクロバブル浴、さら湯浴、シャワー浴によるノネナールや皮脂などの変化が調査されています。

この研究では、いずれの入浴方法でも入浴後にノネナールが減少しました。また、マイクロバブル浴については、体をこすらずに入浴する方法でもノネナールや皮膚の汚れが減少しています

さらに、日本皮膚科学会では、皮膚を強くこすったり、必要以上に洗ったりすることは、皮膚への刺激になるため避けるよう案内しています。皮膚を洗う場合は、洗浄料をよく泡立て、手でやさしく洗う方法が紹介されています。

加齢臭が気になる場合でも、力任せに洗うのではなく、肌に負担をかけない洗い方を心がけましょう。

2.「何度も洗えばニオイは消える」と考える

「一度洗っただけでは心配だから」と、必要以上に体を洗うこともおすすめできません。もちろん、皮膚を清潔に保つことは体臭対策の基本です。実際に、入浴によって皮膚表面の汚れやノネナールが減少することを調べた研究もあります。

一方で、「洗う回数を増やせば増やすほど加齢臭が改善する」ということを示す根拠は確認できません。加齢臭の代表的な成分であるノネナールは、皮脂に含まれる成分の酸化分解と関係しています。そのため、単純に「皮脂を完全になくせば加齢臭もなくなる」と考えることはできません。

また、必要以上に皮膚を洗うことは、肌への刺激になる可能性があります

大切なのは、洗浄回数をむやみに増やすことではありません。通常の入浴で皮膚を清潔に保ち、特にニオイが気になる部分を丁寧に洗うことを基本にしましょう。

3.香水や強い香りだけで隠す

加齢臭をすぐに何とかしたいとき、香水や香りの強いボディケア用品などでニオイを隠そうとする方法があります。香りによって体臭を目立たなくすること自体には研究があります。

加齢臭を対象とした研究では、香料によって加齢臭をマスキングしたり、別の香りへ変調したりする方法が検討されています。実際に、香料を使用した試作品について、使用感を評価する試験も行われています。

そのため、「香水を使ってはいけない」ということではありません。

ただし、香りを加えることと、加齢臭の原因となる成分を減らすことは別の話です。

香りで一時的にニオイが目立ちにくくなったとしても、それだけでノネナールなどの原因物質がなくなるわけではありません。また、香りを強くしすぎると、加齢臭と香料の両方が混ざってしまう可能性があります。

香りを利用する場合は、強い香りで覆い隠すことだけを目的にするのではなく、まず体を清潔に保つことを基本にしましょう。

4.「加齢臭にはこの成分を食べればいい」と自己判断する

インターネットなどでは、加齢臭対策としてさまざまな食品やサプリメントが紹介されています。

しかし、特定の食品やサプリメントを摂取すれば、誰でも加齢臭が改善するとは限りません

実際、食品成分とノネナールの関係について研究された例はあります。

例えば、65~74歳の健康な女性を対象に、コエンザイムQ10の摂取と皮膚ガス中のノネナール濃度を調べた研究があります。この研究では、還元型コエンザイムQ10や酸化型コエンザイムQ10の摂取後にノネナールが減少したと報告されています。一方、ビタミンEでは変化が認められませんでした。

このように、特定の成分について研究結果が存在するからといって、「加齢臭が気になる人は、この成分を摂ればよい」と単純化することはできません

研究には対象者の年齢や人数、摂取期間、使用量などの条件があります。

そのため、加齢臭が気になるからといって、インターネット上で紹介されている食品やサプリメントを自己判断で大量に摂取するのは避けましょう。

まずは普段の食生活を整えることを基本とし、特定の成分を摂取する場合には、必要に応じて医師や薬剤師などに相談することが大切です。

5.「加齢臭=不潔」と考えて、とにかく清潔にする

最後は、対策方法そのものというより、加齢臭に対する考え方についてです。

加齢臭が気になると、「自分が臭うのは体をきちんと洗っていないからだ」と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、加齢臭は単純に「不潔だから発生する体臭」ではありません

加齢による体臭の変化には、汗や皮脂の量・成分、皮脂腺などの活動が関係しており、ノネナールは皮脂に含まれる成分の酸化分解との関係が報告されています。

また、体臭にはさまざまな種類があり、加齢臭だけが体臭のすべてではありません。加齢臭の主な臭気成分としてノネナールなどが挙げられる一方、汗臭や足のニオイなどには別の成分が関係しています。

そのため、「ニオイがする=もっと洗わなければならない」と考えるのは適切ではありません。

必要以上に体を洗ったり、強くこすったりするのではなく、皮膚を清潔に保ちながら、肌に負担をかけないケアを続けることが大切です。

加齢臭対策は「やりすぎない」ことも大切

加齢臭が気になると、どうしても「もっと洗う」「もっと香りをつける」といった対策に走りがちです。しかし、加齢臭の代表的な成分であるノネナールは、皮脂に含まれる成分の酸化分解と関係しています。単純に体を強く洗えば解決するものではありません

実際、加齢臭を対象とした研究では、入浴によってノネナールを減少させられることが確認されています。また、特定の成分を配合した石けんについても、加齢臭の低減効果を調べた研究があります。43~75歳の男性20人を対象とした研究では、ポリフェノール混合エキスを配合した石けんを4週間使用した結果、ノネナール量や臭気強度などが有意に改善したと報告されています。

つまり、加齢臭対策で重要なのは、根拠のはっきりしない方法を次々に試すことではありません

まずは入浴などによって皮膚を清潔に保つこと。そのうえで、必要に応じて加齢臭を対象として研究された製品などを選ぶ方法があります。

そして、強くこすったり、必要以上に洗ったり、香りだけで覆い隠したりするのではなく、自分の肌の状態に合わせて無理のないケアを続けることが大切です。

「ニオイをなくしたい」という気持ちから対策をやりすぎるのではなく、確認された情報をもとに、適切な方法を選ぶようにしましょう。

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